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11/7シンポジウム「読書バリアフリーと学校司書の役割」

2023年の夏、芥川賞を受賞した『ハンチバック』の重度障害者の主人公は、「目が見えること、本が持てること、ページがめくれること、読書姿勢が保てること、書店へ自由に買いに行けること─といった健常性を満たすことを要求する読書文化のマチズモを憎んでいた」と語っています。
2019年に制定された「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(略称 読書バリアフリー法)は、そのような障害者を排斥してきた読書文化を変えようというものであり、私たちはその法の具現を通じて、障害者の読書環境の改善に努めています。

読書バリアフリーと学校図書館が直面した課題を語り合い、制度・政策・運動の創造へとつなげるべく、2023年11月7日にシンポジウム「読書バリアフリーと学校司書の役割」を開催いたしました。

学校図書館議員連盟の笠事務局長からは、議員連盟で取り組んでゆく読書バリアフリーや学校司書にまつわる施策について、文部科学省総合教育政策局の望月局長からは、多様な子どもの読書活動推進に関する調査結果・事例をご紹介いただきました。
後半のシンポジウムでは、パネリスト・コーディネーターから、特別支援学校図書館の現状を報告いただきました。統括として、学校における読書バリアフリー推進のためには、資料の配備と、その資料を活用するための人材の拡充、そしてバリアフリー図書について広く知っていただくことが重要だと発言をいただきました。
最後にアピールの発表も行い、会場の皆様からの大きな拍手にて採択されました。

開催詳細(終了しました)

【日時】

2023年11月7日(火) 15:30~17:30 

【会場】 衆議院第2議員会館 1F 多目的会議室
【参加者】 120名(国会議員、図書館関係者、出版関係者など)
【参加費】 無料
【プログラム】

1.ごあいさつ/河村建夫氏:学校図書館議員連盟顧問
2.出席議員紹介
3.学校司書等に関する報告
①笠 浩史氏:学校図書館議員連盟事務局長
②望月 禎氏:文部科学省総合教育政策局長

4.シンポジウム「読書バリアフリーと学校司書の役割」
パネリスト
野口武悟氏:専修大学文学部教授
生井恭子氏:東京都立鹿本学園司書教諭 
野口豊子氏:横浜市立盲特別支援学校 図書館運営員
コーディネーター
宇野和博氏:筑波大学附属視覚特別支援学校教諭

5.アピール発表/赤熊千明氏:文字・活字文化推進機構企画・広報課課長
6.閉会あいさつ/山口寿一氏:文字・活字文化推進機構理事長

主催

文字・活字文化推進機構
全国学校図書館協議会
学校図書館整備推進会議

後援

学校図書館議員連盟

当日配布資料(PDF)

・式次第
・プログラム
・読書バリアフリーと学校司書の処遇改善をめざす施策について(学校図書館議員連盟ご報告資料)
・参考資料:学校図書館改革に関する決議(2023年6月15日決議)
・多様な子どもたちの読書機会の確保・充実に向けて(文部科学省ご報告資料)
・野口武悟氏資料
・野口豊子氏資料
・アピール

※ご覧になりたい資料名をクリックしてください。
※ご利用や加工等をご検討の場合は、お手数ですが、事務局までお問い合わせください。

登壇者略歴

野口武悟氏(専修大学文学部教授)
筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士課程修了、博士(図書館情報学)。 専門は図書館情報学(主に、読書バリアフリー、子どもの読書活動、電子図書館等の研究)。現在、放送大学客員教授、NPOブックスタート理事、日本特別ニーズ教育学会理事なども務める。主な著書に、『読書バリアフリーの世界 大活字本と電子書籍の普及と活用』(三和書籍、2023年)、『学びの環境をデザインする学校図書館マネジメント』(悠光堂、2022年)、『変化する社会とともに歩む学校図書館』(勉誠出版、2021年)、『改訂 図書館のアクセシビリティ:「合理的配慮」の提供に向けて』(樹村房、2021年)など。

生井恭子氏(東京都立鹿本学園司書教諭)
東京都特別支援学校主任教諭。入都以来、肢体不自由教育の特別支援学校に勤務する。教員になる前は、葛飾区立公共図書館に勤務し児童・ヤングアダルトサービスを担当する。トライアスロンを趣味としている。

野口豊子氏(横浜市立盲特別支援学校 図書館運営員)
パソコン通信時代にネットでパソコン点訳を学び、点訳・点図・拡大図書製作のオンラインのボランティアグループ「点訳ねっとわ~く麦」を立ち上げ、盲学校図書館とネット上の点訳グループを繋いで活動している。
2011年から横浜市立盲特別支援学校図書館運営員として勤務。

宇野和博氏(筑波大学附属視覚特別支援学校教諭)
東京学芸大学教育学部卒業後、都内中学校教諭を経て現職。日本弱視者ネットワークの教育担当役員として、弱視者のための教育環境の改善に取り組み、拡大教科書の普及、著作権法改正や教科書バリアフリー法の制定、障害者の読書環境を整備するためのマラケシュ条約批准、読書バリアフリー法制定など、長年、障害者の読書環境の整備に尽力してきた。NHKラジオ「視覚障害ナビ・ラジオ」レギュラーコメンテーターも務める。

お問い合わせ

公益財団法人 文字・活字文化推進機構
TEL:03-3511-7305(平日10:00~17:00)
FAX:03-5211-7285
MAIL:office@mojikatsuji.or.jp