学校図書館は、学校教育の中核的な役割を担います。他方、新学習指導要領は「言語活動の重視」に改定されます。学校図書館について話し合うフォーラムを東京と大阪で開催、(一)学校図書館図書整備費の地方交付税の予算化促進、(二)司書教諭の専任化、(三)学校図書館への新聞配置、(四)学校図書館における「人材・図書・新聞の充実」などが強調されました。
[主催 文字・活字文化推進機構、毎日新聞社/共催 学校図書館整備推進会議、全国学校図書館協議会、出版文化産業振興財団/後援 子どもの未来を考える議員連盟、文部科学省、東京都教育委員会、大阪府教育委員会、日本PTA全国協議会、日本新聞教育文化財団、日本書籍出版協会、読書推進運動協議会/子どもゆめ基金(独立行政法人国立青少年教育振興機構)助成活動]
9月13日
文京区・東京ガーデンパレスの会場は定員を超える207名で満席。佐藤学氏(東京大学教授)は基調講演で「子どもの読書量の減少は大人の読書量の減少に起因している。学校では教科書以外の本を積極的に取り上げ、教師は子どもと本とをつなぐ役割を果たしてほしい」と呼びかけました。
パネルディスカッションでは磯谷桂介氏(文部科学省初等中等教育局児童生徒課長)が「新学校図書館図書整備5か年計画」の実施状況を説明。森田盛行氏(全国学校図書館協議会理事長)は図書館活用授業の現状を報告。小野瀬容子氏(常陸大宮市立緒川中学校教諭)はNIE(Newspaper In Education)教育の効用を訴えました。
9月27日
大阪市・大阪商工会議所で188名が参加しました。北川達夫氏(日本教育大学院大学客員教授)による基調講演「対話としての読書」では、読者が自身と本に書かれた価値観との対立点を見つけ、新たな価値を育む能動的な読書力が「対話力」として社会で大切な「生きる力」となることが強調されました。後半は、フィンランドの学校における読書環境整備事例を紹介し、「読書は『本との対話』から『人との対話』を経て、社会がいかに変化しようと『共に生きる力』を育む」と締めくくりました。
パネルディスカッションは「教育・授業改革にとって、学校図書館はなぜ必要か」をテーマに、5か年計画の実施状況・新学習指導要領に関して磯谷桂介氏(文部科学省初等中等教育局児童生徒課長)、NIEの具体例を植田恭子氏(大阪市立昭和中学校教諭)、学校図書館の今後の課題を塩谷京子氏(静岡市立森下小学校司書教諭)が、それぞれ紹介しました。
※当フォーラムの内容は、毎日新聞10月27日朝刊9面「読書週間特集」で掲載されました。